転職ノウハウ | 15年3月3日

アパレル業界のバイヤーとはどんな仕事内容?必要なスキルとは?

バイヤーとは商品の買い付け(仕入れ)担当者を指すポジション名であり、アパレル系に限らずスーパー・百貨店など小売に分類される多くの業種でバイヤーが活躍しています。アパレル業界におけるバイヤーも「買い付け担当」には違いありませんが、アパレル業界という特性のため、他の業界のバイヤーとは違った難しさがあります。
今回は、バイヤーの仕事内容・必要なスキル・アパレル店員からバイヤーになるための方法をご紹介します。
 
世界を飛び回るバイヤーの仕事
商社系や大規模な販路を持つアパレル企業のバイヤーの場合、日本国内各地の展示会はもちろんフランスやイタリア、アメリカといった世界各国を飛び回りながら世界最先端のファッションシーンに触れ、大口の商談をまとめるといった働き方をしている人も少なくありません。近年は中国、シンガポールなどアジアのファッションシーンも活性化しており、バイヤーの活躍の場はさらに広がっています。
また、「服を仕入れて売る」だけでなく、「繊維や皮革などの素材を原産国で仕入れ、別の国で加工し、さらに別の国で販売する」といった複雑なビジネスに携わるバイヤーもいます。さらに「世界を飛び回る」というより、パリやミラノなどのモード発信地を拠点として情報網や人脈を築き、その地にしっかりと根を下ろすタイプのバイヤーもいます。

販売経験は不可欠
バイヤーは莫大な額のお金を左右する立場にありますから、当然その権限や責任も大きなものとなっています。海外で活躍するバイヤーには当然語学力や交渉力などが求められ、バイヤー候補としてアパレル企業に採用される人材には相応の学歴や実績が求められるでしょう。
新卒、またはバイヤー経験のない人にいきなり大きなビジネスを任されるケースはあまり見られません。入社後の一定期間は店頭での接客などアパレル業界の基本的なスキルを学び、ショップやブランドの特徴を熟知したうえで小口の仕事から段階的に買い付け業務を任せられるようになります。これは国内で活動するバイヤーであっても同様で、多くのケースでは先輩・上司のアシスタントをしながら業務内容を学んでいくようです。
 
センスは磨くもの
アパレル業界のバイヤーに対してよく誤解されるのは「バイヤーには何か特殊な才能が求められ、先天的にファッションの良し悪しがわかるような人しかなれないアーティスティックな職業だ」という点です。
もちろんファッションセンスは必要で「これは流行しそう」「これは日本ではあまり売れないかも」といった直感力は必要です。しかし自分の感性にだけ頼ってビジネスをしているわけではなく、統計資料などのデータを駆使し「この商品は来シーズン流行する」といった仮説に対して十分な根拠・論理を提供できなくては、決して信頼されるバイヤーにはなれません。こうしたスキルは努力と経験によって磨かれるものです。
◇アパレル店員からバイヤーになるためには
店舗のイメージに合ったアパレル商品を仕入れるのが主なお仕事。ファッションセンスが求められるのはもちろんですが、ブランドのアパレル店員として働いてきた知識と経験は何物にも代え難いスキルとなります。店舗のイメージを熟知している自社のアパレル店員と、他社のアパレル店員のどちらかをバイヤーとして採用する場合は、基本的に前者が採用されることが多いようです。このため異動でバイヤーを目指すのが一般的ですが、近年はバイヤーの需要が増えていて、他社のアパレル店員はもちろん、販売の経験があれば未経験でもOKという求人もあります。アパレルのアパレル店員からバイヤーを目指す場合、転職は有効な手段と言えるでしょう。

では、アパレル店員からバイヤーへ転身するためには、どのようなスキル・経験が求められるのでしょうか?

第一にファッションセンス
バイヤーとして活躍する際に、最も重要なものは「ファッションセンス」です。世の中のトレンドをいち早くキャッチできなければ、センスのあるお客様は離れていってしまいます。売れるお店にするためにもバイヤーは流行の最先端にいる必要があります。
ただし、流行ならばどんな商品でも仕入れていいというわけではありません。カジュアル系のお店にパンクファッションを持ち込んでしまうと、お店のイメージが崩れてしまいますよね。お客様にとってもマイナスですし、店員さんも戸惑ってしまいます。バイヤーは自分の好きな服を仕入れるのが仕事ではなく、店舗の方針にのっとった商品を仕入れるのが仕事です。お店のカラーに合った服を仕入れるという高度なファッションセンスが要求される職種と言えるでしょう。

マーケティング能力を磨く
アパレルのバイヤーというと商品の仕入れ担当というイメージが強いかもしれませんが、それは仕事のひとつであり、すべてではありません。売れる商品を仕入れるためには市場の分析を行う必要がありますし、商品の価格を決めたり、商品の陳列方法を考えるのもバイヤーのお仕事。場合によっては実際に店舗に立って販売を担当することもあります。
仕入れはあくまでメインの業務で、商品が売れるまで責任を持つのがバイヤーです。企画・調査・仕入れ・販売など、幅広い業務に携わる仕事なので、マーケティング能力が求められる仕事といえるでしょう。

英語力があると有利
バイヤーは海外へ買い付けに行くことも少なくありません。海外のアパレル企業と交渉し、流通ルートを確保するためには英語が必要です。ヨーロッパ方面に買い付けに行くことも多いので、フランス語やイタリア語など、ファッションに強い国の言葉をマスターすれば、就職や転職で有利になります。


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本当にファッションが好きで流行に対して関心を持ち続けられる人であれば、特別な感性や才能などなくても一流のバイヤーとして活躍できる可能性は十分あります。






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