転職ノウハウ | 22年10月20日

アンゴラ?カシミヤ?その違いは?動物繊維の豆知識

服をつくるための繊維は、大きく分けて植物繊維・動物繊維・化学繊維の3つがあります。アパレル業界で働く以上、こうした繊維素材の基礎知識についてもおよそのことは知っておきたいですね。「カシミヤだと何が違うの?」とお客様に質問されることもあるかもしれません。
そこで今回は、動物繊維について勉強しましょう。


動物繊維ってなに?
シルク、ウール、アンゴラ、カシミヤ、アルパカ…思いつく動物繊維と言えば、このくらいでしょうか。では、それぞれの素材は何からどう作られているのでしょう?基本的なことは知っておきたいですね。

動物繊維とは動物から取れる繊維のことです。ただしここで言う ”動物” とは、羊やヤギなどだけでなく、カイコなどの昆虫も含まれます(昆虫以外ではクモの糸などもごく一部で繊維として使われています)。案外幅広い意味を持つ言葉なのです。一般的に服の繊維として使われるのは、シルクを除いてはほとんどがほ乳類の体毛です。


シルク(絹)
繊維がとても細いので、生地の表面が非常になめらかで美しく、輝くような光沢を持つのが特徴です。軽く、肌触りにも優れています。
その反面、シミができやすい、水に濡れると縮みやすい、色落ちしやすい、熱に弱い、虫がつきやすいなど、取扱いがデリケートで保管するにも気を使わなくてはならないという弱点があります。アイテムとしてはシャツ、スカーフやブラウスなどが多いでしょう。
ウール(羊毛)
羊の毛をバリカンでカットしている風景を見たことがある方も多いのではないでしょうか。見た目の通り、フワフワとして弾力があり、保温性や吸湿性が高いため、セーターなど、厚手の冬物衣類によく使われます。染色性がいいので鮮やかな発色が楽しめるのも特徴です。長く使っているうちに表面がフェルト状になったりしますが、それもウールの味わいといえるでしょう。寝具などにも人気の高い素材ですが、虫がつきやすく毛玉ができやすいのが弱点。
ウールの種類
ウールは動物繊維の中ではもっとも多く使われる素材で、様々な種類があります。その代表的なものを紹介しておきましょう。

メリノ種(細毛種)
細く白い繊維で、ウールの中でも極上品とされています。スペインメリノ、策ソニーメリノ(ドイツ)、アメリカメリノなど、世界各地にバリエーションがあります。

中毛種
比較的繊維が短く、ニットや毛糸の原料となる羊毛です。ハンブシャー、サウスダウンなど多くの種類があります。

長毛種
繊維が長く、美しい光沢が特徴です。リンカーン、ボーダレスターなどの種類があります。

雑種羊毛
この場合の「雑種」は、品質が高く使いやすいウールが取れるよう交配した羊という意味です。メリノ種と長毛種を交配したコリデールなどが代表的で、日本で飼われている羊のほとんどがコリデールとなっています。なお、世界中のウールの約半分は雑種羊毛です。



ウール以外の獣毛の種類
アンゴラ / モヘヤ※写真左
アンゴラヤギからとれる毛です。繊維が長く細く、絹にも似た光沢のある風合いが人気です。強くブラッシングすると抜けやすいのが弱点です。スーツ、ニット、ショールなどによく使われます。非常に高価なので、ウールやナイロンと混紡されることも多くみられます。

アンゴラウサギ※写真右
アンゴラウサギからとった毛だけに非常に軽くて柔らか。ただしデリケートすぎるため、ウールや化学繊維などと混紡されるのが一般的です。混紡されるときは単に「アンゴラ」と称される場合もあります。
 
カシミヤ※写真左
ヒマラヤ原産のカシミヤヤギからとれる毛です。手触りが非常によく風合いが美しいため、高級ニットなどに用いられます。カシミヤのマフラーなどは高級品としてよく知られていますね。

アルパカ※写真中
南米原産のアルパカからとれる毛です。光沢があり、非常に強靱な繊維として知られています。

キャメル※写真右
フタコブラクダからとれる毛です。非常に保温性が高いという特徴があり、高級ニットなどの素材として人気があります。






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