ニュース | 21年3月31日

ファストファッションからサスティナブルファッションへ。具体的な取り組みとは?

2015年に国際サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を耳にする機会も多いのではないでしょうか。
現在では世界一体で環境問題への取り組みがはじまり、特に若い世代の意識が高くなってきていることが見受けられます。そんな中、ファッション業界で注目されるのが「サスティナブルファッション」。一体どんな取り組みを行っているのかご存知でしょうか。
今回は、企業が行っている具体的な取り組みあわせてご紹介します。
サスティナブルファッションとは?

サスティナブルとは、持続可能なという意味を持ちます。ファッションの生産から販売、消費などのプロセスにおいて環境、社会、経済に対して最大限配慮されているものを指します。
サスティナブルファッションとは、

・動物保護のため ⇒ 動物の皮や毛を使用せず、エコレザーやエコファーを使用
・環境への負担を減らすため ⇒ オーガニックコットンを使用した衣類の生産
・廃棄を減らすため ⇒ エコ素材の活用/古着のリサイクル
・シェアリングビジネス(※インターネットを介して、余剰となっている資産を活用するビジネスのこと)

などが挙げられ、身近に感じることも多いはず。こうしたことからもファッション業界の取り組みに注目されているのではないでしょうか。

年間で200億着も廃棄!?
こうした背景には「大量生産・大量消費」が大きく関わっています。世界で年間に廃棄される衣類の数は、なんと200億着。この中の半数が一度も着られていないのです。このような問題に対し、新たな商品を生み出すのではなく、資源を循環させたり、元々ある商品に技術を加え他の商品として販売する取り組みが行われ、トレンドは、「ファストファッションからサスティナブルファッション」へと変わりつつあるのです。
具体的な取り組みとは…

アパレル業界で行われている具体的な取り組みの中に3Rがあります。聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。3Rとは、REDUCE(削減)、REUSE(再使用)、RECYCLE(再資源化)の三つの頭文字を取ったもので、環境に優しい循環型社会を作るための基礎的な考え方のこと。

▼ REDUCE(削減)
コロナ禍で服に対する意義が変化していく中でシーズン関係なく長く利用できる服が重宝され、企業側も本当に届けたい商品だけ生産するようになりました。ファーストリテールでは、ムダなものはつくらないこと、そして売らないこと。そのために「シンプルで質がよく、長持ちする」を服作りのコンセプトに、世の中の人たちの生活に必要な服、欲しいと思っている服を理解し、買ってもらえる量だけの服を計画的に作ることなどに取り組んでいます。
こちらもチェック: コロナ後、変わる消費者や企業の「服」の意義

▼ REUSE(再使用)
最近では、店舗に設置した回収用コンテナで商品リサイクルを受付け、衣類の回収を積極的に行っている企業が多くみられます。回収した衣類は着用できるものは再販売、再着用できないものは繊維などに生まれ変わります。

ZARA
対象商品:ブランドや状態問わず衣料品、ホームファブリック
⇒ 回収された商品や衣類は分別・分類され、非営利団体に支援。

ユナイテッドアローズ
ダウン製品の回収を実施。(UNITED ARROWS green label relaxing)
対象商品:ダウン混率50%以上のダウン製品(ブランド不問)
⇒ 羽毛のリサイクル社会を目指すプロジェクト「グリーンダウンプロジェクト(Green Dowen Project)」に提供。

アーバンリサーチ
羽毛製品の回収を実施。
対象商品:品質表示の組式の「ダウン率」が50%以上のもの/グリーンダウンプロジェックト「VIRGIN DOWN」の吊り札が購入時に付いている商品
⇒ 羽毛は洗浄、精品加工することで新毛よりもきれいな「再生毛」として生まれ変わり、グリーンダウンとして活用。

▼ RECYCLE(再資源化)
アパレルにおけるリサイクルは新しいものに作り変える場合(アップサイクル)と別のものをリサイクルし服に変える場合があります。店舗でのリサイクル活動は、ファストファッションやカジュアルブランドを中心に行われていますが、ハイブランド各社でも環境活動に取り組んでいるようです。

ステラマッカートニー
「ベジタリアンブランド」として、レザー、ファー、羽毛を一切使用せず、動物、人間、環境のいずれにとっても優しい、美しい高級製品の製造が可能であることを証明しています。環境に配慮した方法で材料を生産している厳選された少数の工場と提携し、素材には、アクリル、ポリエステル、ウール、またはモヘアのいずれかを使用。再生素材、およびバイオ素材を活用し、代替素材が与える環境負担を軽減する取り組みを行っています。また、お客様に対しても衣類に責任を持ってもらうようにお願いをし続けています。

バーバリー
ReBurberryコミットメントの一環として、バーバリーは革新的でよりサスティナブルな素材と製造方法を導入。2022年までに、製造する全ての商品が、使用素材または製造方法により社会または環境にポジティブな影響を与える商品として販売されます。オーガニックコットンやウールなどのオーガニック素材の利用。衣料品やアクセサリーを製造する過程で生まれる、年間120トンにもなるレザーの切れ端をリユースし、新たなバック作りに活用しています。
最後に

いかがでしたか。企業が様々な取り組みを行っていますが、消費者の私たちにも出来る取り組みはたくさんあります。
例えば、着なくなった服をフリマサイトに出品したり、一度しか着ない洋服はファッションレンタルサービスを利用するなどです。そうすることにより洋服の寿命を延ばすことが出来ます。自分のお気に入りの洋服がまた誰かのお気に入りに代われば、洋服を通して人々の交流も深くなるのではないでしょうか。時代はどんどん進化し、ファッションの在り方も変わってきています。あなたもぜひサスティナブルファッションを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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      サスティナビリティとファッションの関係とは


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