ニュース | 21年3月10日

アパレル業界のD2C・SPA・分業モデルとは?ビジネスモデルの基礎を解説!

アパレル業界のビジネスモデルは、複数存在します。従来のモデルである分業モデル、SPA (エスピーエー)は耳にしたことがある方もいるかもしれません。近年では、D2C(ディートゥーシー)という新たなモデルが登場し注目を集めています。
今回は、アパレル業界のビジネスモデルの基礎をご紹介します。アパレル業界への就職・転職を検討している方は、アパレル業界の入門編として活用してくださいね。
アパレル業界のビジネスモデル

【1】分業モデル

従来のビジネスモデルである、分業モデル。素材の生産、衣料品の生産、衣料品の企画・仕入れ、販売などそれぞれの専門企業が役割を分業化したビジネスモデルのことを指します。

■分業化モデルの工程フロー

① 素材(繊維)の生産=化学メーカー・繊維製造業者
② 素材(繊維)を卸す業者=繊維商社・卸売業者
③ 素材を縫製して衣料品を生産=メーカー(工場)
④ 衣料品の生産を企画しメーカー(工場)に依頼=ブランド
⑤ メーカーやブランドから衣料品を仕入れ小売業者に販売=卸業者
⑥ 衣料品を販売=小売業者、EC業者


この分業モデルは、百貨店に出店しているようなブランドが多く取り入れています。生産から販売まで細かく分業化されている為、専門性が高く高品質な商品を生産でき、全ての工程をそれぞれの企業でリスク分散ができるメリットがあります。しかし、各工程で中間マージンが発生する為、価格が高騰するという点がデメリットと言えるでしょう。
【2】SPAモデル(スペシャリティー(S)・ストア・リテーラー・オブ・プライベート(P)・レーベル・アパレル(A))

SPAモデルとは、90年代から登場したモデルで衣料品の企画から生産、小売まで全てを一貫して行うビジネスモデルです。
国内で代表的な企業は「ユニクロ」、海外ブランドでは「ZARA」「GAP」「H&M」などが有名です。消費者のニーズを随時読み取り商品の企画に落とし込みができるので、トレンド商品をいち早く大量生産できることが特徴でもあります。

SPAモデルのメリットは、分業化することで発生する中間マージンが発生しない為、コストダウンが可能で消費者へ低価格の商品を提供できる点です。デメリットは、トレンド商品を大量生産する故に似たようなデザインの商品が増え他社との差別化が難しく、価格競争が発生した点が挙げられます。

【3】D2Cモデル「Direct to Consumer(ダイレクト トゥー コンシューマー)」

D2Cとは、メーカーや工場が商品を自社で企画・生産し、SNSなどで購買促進を行い、自社のオンラインストアやアプリで直接消費者に商品を販売するビジネスモデルです。そして、高品質な商品を低価格で販売することを重点においており、小売店を持たずに主にオンラインで商品を販売する特徴があります。

このモデルのメリットは、消費者が高品質な商品を低価格で購入できる点と、今までよりメーカーや工場が高い利益を得られる点が挙げられます。

D2Cの先駆けは、2010年にアメリカの大学生が創業した眼鏡メーカーでした。デザイン性に優れた高品質の眼鏡を、リーズナブルな価格でオンライン販売したことで人気となりました。日本でもオーダースーツを手掛けるD2Cブランドが人気を集めるなど、今後も更に注目されるビジネスモデルです。

※補足
■C2Cモデル「Consumer to Consumer(コンシューマー トゥー コンシューマー)」
フリーマーケットやネットオークションなどの一般消費者間で販売の取引を行うビジネスモデル。

■B2Bモデル「Business to Business(ビジネス トゥー ビジネス)」
生産企業や卸業者、ブランドなどの消費者を挟まない企業間で販売取引を行うビジネスモデル。
今回は、アパレル業界のビジネスモデルの基礎をご紹介しました。ブランドによってビジネスモデルが異なり、それにより担当できる業務内容やキャリアの幅が異なります。特に本社勤務を希望する方は、希望するキャリアに合わせてどんなモデルの企業が自分に合っているかという視点で企業研究してみてくださいね。


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